第三週三日目

6時くらいに起床。だいぶ睡眠習慣が軌道修正されつつある。朝食を済ませて午前はオリヴィ関係の論文を読む。中世では複合実体の本質に質料を含めないformalisteなアリストテレス形而上学』解釈(特にZ巻)の立場がしばしばアヴェロエスに帰されて批判されている。オリヴィも同様に批判的ではあるが、アヴェロエスに多少は共感を示すこともあるとのこと。アヴェロエスアヴェロエス主義者の違いも重要か。

 

昼になったので、学食からの図書館。セミナーのテクストを印刷したり、BCUでちょっと勉強してみたり。必要があってイタリア語の辞書コーナーを見ていたが、純粋な伊伊辞典を除けば、だいたい仏伊伊仏がセットになった辞書ばかり。しかもだいたいこの順番。日本のように伊和だけ、のようなタイプの辞書はメジャーではなさそう。

 

Tさんの講義は引き続きアヴィセンヌ。存在と本質の区別や必然と可能の区別が説明され、唯一の必然的存在の証明からトマスの第三の途まで突っ走る。存在が附帯性だとするアヴィセンヌの立場がessentialisteだと言われ、このラベルはアンセルムスやフッサールにも適用できると説明される。後半はアヴィセンヌの新プラトン主義的な流出論が一通り説明される。濃厚な宇宙論なので、学生の中にはついていけなそうな雰囲気が一部で漂う。自分も授業でちょっとだけ新プラトン主義の話をした時、やはり説明に苦労した。特に還帰の説明はちゃんと考えたい。

 

帰りにFNACに寄って、本を三冊お買い上げ。レジではFNACカードを持っているかと聞かれ、前も単にnonとかわしていたが、今回はカードを作ると色々お得みたいで、店員がわざわざ英語で教えてくれる。名前がティツィアーノだったのは偶然か。カードはそのうち郵送されてくるみたい。簡易なイタリア語の辞書、パリのガイドブック、アリストテレス『プロトレプティコス』の翻訳文庫版を買う。


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買いすぎには注意しよう。

 

パリへは、フリブールからだとバーゼル乗り換えで電車でも行けるみたい。5時間くらい。飛行機だとジュネーヴチューリッヒでシャルルドゴール経由で市内まで電車。少なく見積もると3時間半くらいか。乗り換えの少なさもあって鉄道に少しひかれている。まだ妄想段階。