セーターもいらない?

通常の起床。シリアルなどを食べる。午前はSCGの勉強会の訳稿を読む。こんなに細かくトマスを読む読書会は、少なくとも哲学だと世界でも稀なのではないかと思っているが、世界を知っているわけではないので偉そうなことは言えない。それでも、ゼミの講読は日本だとラテン語原文で読んでいると言うとこちらでは必ず驚かれる。しかし他方で、前学期にこちらのゼミに出て、一次文献を手際よくまとめる作業も大事だと再確認した。どちらもやれたらベスト。

 

研究室に行くとVが昼寝していた。担当しているゼミの準備に苦戦している様子。しかも母語ではないドイツ語でやるみたいで。流石フリブール大。

 

学食の後、私は英訳作業。その後、学期も始まったことだし、講義を聞きに行く。古代哲学のK教授の授業。古代の言語理論がテーマ。今日はパルメニデスヘラクレイトスの話をして、プラトンの『クラテュロス』につなげていくという流れだった。K教授は休み時間なしでやるタイプみたい。彼はチェコ出身で母語はフランス語ではないし、キャリア的にはドイツ語の方が得意な気がするが、それでも授業しているのだからいやはや。Tさんはスイス人だけど、母語はイタリア語で、その上でやはりフランス語、ドイツ語で授業するのだからもう信じられない。たしかに究極の語学訓練方法の一つかもしれない。。。

 

19時過ぎには帰宅してアパート下見希望者待機。会ってみたら老人男性だった。このタイプははじめて。ちょっと色々考えてしまうが、何とかフランス語でやり取りする。というか英語を話してくれなそうだった。彼は家賃が1200フランだと聞いていたみたいだが、老後もやはりお金がかかるのだなぁとまた色々考えてしまった。

 

夕飯はシチューを作り、アンゲロプロスの『アレクサンドロス大王』を見る。舞台は二十世紀初頭。200分でちょっと長かった。夜更しのもとに。。。最初の方でスーニオン岬が出てきてちょっと興奮する。ギリシアに行くなら行きたいと思っている場所の一つ。しかし映画では、英国人たちがここで拉致されてしまうのだった。