フヴィェズダ便り(Reportáž z Hvězdy)

※2018年11月~2019年3月は「新・フリブール日記」

ご挨拶

生存報告を兼ねて、期間限定でブログを書きます。2026年4月よりチェコのプラハに滞在し、カレル大学哲学部でお世話になります(職場の在外研究員制度を利用しています)。専門は西洋中世哲学です。

家族で欧州に住むのははじめてですが、何とか生存することを目指します。ブログのタイトルにある「フヴィェズダ」は、カレル大学の宿舎がある場所に由来します。

なお、かつてこのブログでは、2018年11月より2019年3月まで、「新・フリブール日記」を公開しておりました。その趣旨については前の記事を参照してください。

rishida.hatenadiary.jp

季節の変わり目?

新しい週が始まりました。朝から大雨が降り、気温がぐっと下がります。今週はこんな感じの日が続きそうで、季節の移り変わりを感じさせます。明日は予報だと最高気温が20℃となっています。

 

日本ではお盆休みが明け始めたようです。上の子の学校も明日から始まるので、徐々に夏休みの終わりも近づいています。

 

私は毎年恒例になりつつある(ということは首尾がよくない)申請書の作成に着手しました。例年よりは遅くなってしまいましたが、短期集中で乗り切りたいと思います。

 

本の配達もありました。フランシスカン関連のものばかりです。イタリア語では類書がまだまだあるようで、その全貌をつかむことは難しいのかもしれません。

 

Ernesto Dezza, La dottrina della creazione in Giovanni Duns Scoto, Roma, 2016.

www.antonianum.eu

 

Ernesto Dezza, La teoria modale di Giovanni Duns Scoto. Il caso della relazione tra creatura e Creatore e la condizione di beatitudine, Roma, 2018.

www.antonianum.eu

 

Orlando Todisco, Nella libertà la verità. Lettura francescana della filosofia occidentale, Padova, 2014.

www.edizionimessaggero.it

 

Luca Parisoli, La Summa fratris Alexandri e la nascita della filosofia politica francescana. Riflessioni dall’ontologia delle norme alla vita sociale, Palermo, 2008.

books.google.com

 

夜まで申請書の作成に追われますが、今週からしばらく苦しい日々が続きそうです。

日曜日のカウフラント

昨日は暑さもあって家のなかで溶けていたので、今日は午前から家族みんなでカウフラントに買い物に行きます。セールの日だったのか盛況で、いいタイミングで来られたようです。オーブン皿をお迎えしました。

 

家ではスアレス研究を進めます。しかしそろそろ他の仕事に注力するときが来たようです。次の週から大きめの締め切りが迫ってきました。

 

夜は雨が降っていました。これからまた涼しくなりそうです。

写経作業のなかで

この日は暑くて家で一日溶けていました。ただし夕方には最寄りの商店に行って少し食料品を買うことができました。

 

家ではスアレスの写経作業をしていました。この作業は、その過程で未知のことに遭遇することが複数ありますが、近世の知らない名前の人物にたくさん会うことができます。

 

その中の一人にバルトロメ・カランサ(Bartolomé Carranza, c. 1503–1576)がいます。ドミニコ会士でトレド大司教にまでなった人物ですが、有名なスペイン異端審問のなかで異端宣告されたことで捕らえられ、ローマで悲しい最期を遂げたそうです。この人物は、サンタンジェロ城に幽閉された後、サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会のドミニコ会修道院で死んだそうですが、いずれもローマ滞在時に訪れた場所なので、知っていればまた違ったことに気づけたかもしれません。

 

ローマと哲学史との関連では、スウェーデンの女王クリスティーナ(1626–1689)も気になる人物の一人です。哲学史ではデカルトが死んでしまうきっかけを作った人(?)として語られることが多いかもしれませんが、むしろ彼女の人生のなかでは若くして退位した後にプロテスタントからカトリックに改宗し、1655年以降ローマを拠点にし続けたことが何より興味深いです。たとえばヴァチカン図書館には彼女のコレクションだった蔵書群があり、私も写本閲覧でお世話になっています(というかヴァチカン図書館に行ったときに原物も閲覧しました)。機会があれば彼女の足跡もきちんと辿ってみたいと思います。

 

写経作業をしていて、スアレスがよく教父たちを権威として引いているのも気になっています。特にギリシア教父がよく出てきており、この当時の教父の扱いがどのようになっていたのか知りたいと思っています。とりあえず目についたものをメモがてらここにも記録しておきます。

 

link.springer.com

 

https://www.degruyterbrill.com/document/doi/10.1515/9783110708905

 

www.jstor.org

再びのOC Šestka

今日は久々に、気温上昇が見られそうな日です。午後にお出かけの約束があるので、午前は家で各自過ごします。私はスアレスの写経作業を進めます。今取り組んでいる章はなかなか長いです。また知らないスコラ学者の名前がどんどん出てきて、なかなかのスリルを味わえます。

 

午後は同じ宿舎に住んでいる子連れご家族と合流し、空港近くのショッピングモールへバスで向かいます。モールとしては小ぶりですが、子どもの遊び場があるのでそれが目当てです。上の子は二回目で勝手がわかっているので特に嬉しそうでした。おやつの時間にアイスクリームを試してみましたが、一掬いが小さめでした。

 

屋上に移動して、飛行機を近くで見ることを試みましたが、今日はルートが違うのか、間近で見ることはできませんでした。運が必要みたいです。

 

そのままフードコートで夕飯を食べることにします。私はインド料理屋のビリヤニ。量がすごかったです。食後はスーパーAlbertで買い物。みんなでバスに乗って帰りました。向こうのパパさんとは英語で話し、イランではコーヒーよりお茶が主流であることを知りました。アラビアからコーヒーが優勢になるみたいです。

Kostel Panny Marie Vítězné(勝利の聖母教会)、プラハの幼きイエス像

プルゼニュ観光の翌日です。上の子は妻に連れられて健診に行くので、下の子と過ごします。カレル橋の方を散歩したいと言われたので、朝のうちに出かけることにします。

 

メトロA線で旧市街駅。そこから歩いてカレル橋のたもとに到着し、渡っていきます。いつ見ても良い眺めです。

 

せっかくなので、一箇所だけ未踏のスポットに向かいます。マラー・ストラナ(Malá Strana)の一角にある勝利の聖母教会(Kostel Panny Marie Vítězné)です。入場料なしでいいものが見られます。プラハの幼きイエス像として知られるものです。16世紀にスペインからやってきたとのことです。

 

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2009年に教皇ベネディクト16世が訪れたようです。像に着せる衣装もたくさんあって、愛されていることがわかります。

 

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ここは跣足カルメル会の教会なので、アビラのテレサや十字架のヨハネの絵もありました。アビラのテレサが描かれた絵の前には、リジューのテレーズの像が組み合わされていました。かなり興味深いです。

 

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聖具室も見させていただくと、そこにいた修道士の方はインド出身とのことでした。アフリカから持ち帰ったアイテムが廊下に並べられています。

 

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色々と見させていただいたので、地下にあるお土産屋で少し買い物しました。この教会は、プラハ観光のコースとしてもオススメできます。

 

いつもお世話になっている22番トラムで帰宅します。昼食後に昼寝しました。しかし起きてみると、今日は健診しか行っていない上の子が体力を持て余しているので、再び散歩に出かけることにします。

 

近場のブシェヴノフ修道院の周りが広大な庭園になっているので、開拓するために向かうことにしました。

 

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ここも無料で入ることができます。もう少し涼しくなるとベストです。

 

今、住んでいるエリアは、古くはこのブシェヴノフ修道院が昔からある一帯に属します。中世から修道院があったエリアに、16世紀になって王侯貴族のための禁猟区が作られ、その禁猟区はそこに建てられた小さなパヴィリオンにちなんでフヴィェズダ禁猟区となり、17世紀には近くの小高い丘で三十年戦争の緒戦である白山(ビーラー・ホラ)の戦いが行なわれました。

 

冒頭のプラハの幼きイエス像も、まさに三十年戦争の頃に教会に寄付されました。色々と学ばせてもらっております。

Plzeň(プルゼニュ)、ピルスナー発祥の地

今週の真ん中あたりは気温が少し下がって涼しくなるとのことだったので、また日帰り旅行を企画しました。今回は、プラハからは西にあるプルゼニュに行きます。名前の通り、ビールのピルスナー発祥の地であり、元祖ピルスナーであるピルスナー・ウルケル創業の地です。

 

プラハ本駅からはローカル線で約1時間半でプルゼニュ本駅に着きました。

 

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本駅を降りたすぐのあたりはこんな感じの車社会で、個人的にはスイスのバーゼルを思い出しました。歩いてすぐのところにピルスナー・ウルケルの醸造所があります。

 

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昼食を兼ねて醸造所併設のレストランで、ここだけでしか飲めない無濾過のピルスナー・ウルケルをいただきました。レストランはチェコ最大のビアホールとのことです。お土産物を少し物色してから街中に向かいます。

 

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緑地のあるあたりを中心に散策しました。プラハでも有名な発明家クシジーク、チェコの人形劇キャラクターとして有名な二人組スペイブルとフルヴィーネクのモニュメントがありました。プルゼニュは人形作りでも有名で、今回は行きませんでしたが人形博物館があります。

 

今回は、ちょっと私の趣味に合わせてもらうかたちで、プルゼニュ教区教会美術博物館(Muzeum církevního umění plzeňské diecéze)を訪れました。元々はフランシスコ会の修道院だった場所だということを知り、また家族用の入場券があるので、思い切って入ってみることにしました。子たちの反応は例によっていまいちでしたが、なかなか良いものを見ることができました。ボヘミアの守護聖人のラインナップなど勉強になります。

 

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他に、礼拝堂の壁や天井に描かれている絵が非常に印象的でした。キリストを描いた絵のなかにプルゼニュ市を描く最古の図像があったり、楽器を弾く天使たちの見事な姿があったりしました。

 

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一時間弱でお暇し、街の広場に向かいます。共和国広場という名前でした。中心には聖バルトロミェイ大聖堂があります。がっつり改修中です。熊本城を最初に訪れたときもそうでした。レアな姿を堪能します。入場無料だったので中も拝観させていただきました。裏手には天使たちのオブジェがあり、たくさんの人に触られています。一体、顔がなくなっているのもありました。

 

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子たちがそろそろ不満気なので、広場の一角で地元の方々が並んでいるアイスクリーム屋を見つけておやつの時間にし、本屋を少し冷やかしてから帰宅しました。

 

夕飯は近所のレストランで済ませ、リーズナブルな値段にホッとします。帰ってから父親業務をしたら、すぐに寝てしまいました。そういえば、歴史的な日食があったみたいですね。

Petřínské sady(ペトシーン庭園)

朝は上の子の鼻血騒動から始まりました。このところ二人とも定期的に寝起きに鼻血を出しており、朝からライヴ感があります。二人とも自分で鼻にティッシュを詰めて止血できるのなら良いのですが、まだまだ時間がかかりそうです。

 

午前中にはスアレスの写経を少し進めました。妻と下の子が買い物に行ってくれて、お昼はヌードルをいただきました。

 

昼寝の後、今日は気温がそれほど高くないので、夕飯前に上の子と長めの散策に出ます。ペトシーンの丘に行くことにしました。

 

地の利をいかし、トラムに乗ってストラホフ修道院のあたりまでたどり着き、そこから展望塔のあるところまで登ります。割とすぐ着きました。

 

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タワーにはまたそのうち登ることにして、今日は無料の散策を楽しみます。スチェファーニク天文台も見えてきました。

 

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バラ園もあり、意外に広いです。ケーブルカーはまだ工事中です。そろそろ運転再開が近いと聞いています。

 

街中から登ってくると、このあたりがゴール地点の場合が多いかもしれませんが、我々は逆にここから下山してみることにします。

 

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途中、素晴らしい景色の見える展望スポットがありました。プラハ城ありの無料スポットはストラホフ修道院の裏手が良いですが、プラハ城なしならここは今のところベストかもしれません。

 

ひたすら下って、シュヴァンダ劇場(Švandovo divadlo)のあたりに出ました。そこからバスを乗り継いで大学宿舎真横のバス停まで20分くらいで戻ってくることができました。プラハの交通網さまさまです。うちからペトシーンの丘に快適に行くルートもわかってきました。

 

今日は本の配達もありました。欧州内だと早く着くので嬉しいです。

 

Don Curzio Nitoglia, Buona filosofia e contro–storia filosofica. Dall’antichità pagana ad oggi, Teramo, 2024.

edizioniradiospada.com

 

Ernesto Caroli, Dizionario bonaventuriano. Filosofia, teologia, spiritualità, 2 ed., Padova, 2021.

 

Kenan B. Osborne, The Franciscan Intellectual Tradition: Tracing Its Origins and Identifying Its Central Components, St. Bonaventure, NY, 2003.

 

Jean-Baptiste Brenet, Demain, la veille, Lagrasse, 2023.

editions-verdier.fr

 

Jean-Baptiste Brenet, Que veut dire penser ? Arabes et latins, Paris, 2022.

https://editions-rivages.fr/catalogue/que-veut-dire-penser-017779

 

Jean-Baptiste Brenet, Qu’est-ce que la philosophie ? Paris, 2025.

https://editions-rivages.fr/catalogue/quest-ce-que-la-philosophie-020363

 

Giorgio Agamben & Jean-Baptiste Brenet, Intellect d’amour, Lagrasse, 2018.

 

Jean-Baptiste Brenet, Le Dehors dedans. Averroès en peinture, Paris, 2024.

www.editionsmacula.com

 

今回はブルネ先生の本を多めに仕入れてみました。