ザンクト・ガレン、チューリッヒ
朝6時半くらいに起床。今日はまだ金曜日だが、もう三月になってしまったこともあり、観光を加速化させることにする。
まずはザンクト・ガレン駅に到着。フリブール駅からチューリッヒ中央駅までは1時間半くらいだが、ザンクト・ガレン駅まではチューリッヒ中央駅からさらに1時間ほど。思ったより遠かった。そして直前に駅の券売機で買った切符は、二等車、往復で160フラン! 現金を使いたいので今回はそのまま払うことにする。
ザンクト・ガレンは歴史的に修道院と繊維業を中心に栄えたことで有名。そのためか街歩きしていてもフリブールより栄えているという印象。財力を感じる。
それを感じさせるものの一つがこの大聖堂。
内装もかなり豪華。
平日にここに来たのは、実はこの修道院の図書室を観覧するため。といっても本は閲覧できず、有名な間を見学できるという仕様。観覧料は9フラン。財源の一つかもしれない笑
その間は写真撮影禁止。図書室のある建物入口付近にこのパネルがあるだけ。荷物はすべて鍵つきロッカーに預け、間に入る時は靴の上から大きなスリッパを履く。すり足状態になる。図書室にある本はどうやら現役で借りられているようだ。アクィナスの全集もあった。あと、ある一角がすべてミーニュの所もあったりして見応えがあった。
他にも敷地内にはオブジェがいくつか。
しかし残念なことに、雨が結構降っていて街歩きはほとんどできず。ザンクト・ガレンの街中にもオブジェが至るところにあった。
お辞儀するクマ?
メガネ屋のショーウィンドウ。
昼飯はマノールがあったのでそこで具入りパンを買ってすぐに駅に戻り、雨宿りする場所が多そうなチューリッヒに向かう。スイス国鉄は飲食全然オッケーで、だいたい各席にゴミ箱が設置されている優れものなので、移動時間が長い時は気軽に活用できる。
チューリッヒ中央駅着。今日の観光後半戦開始。
まずはチューリッヒ湖に向かう。
ちょうど遊覧船が出るところだった。もっと晴れた日に一度は乗りたい。
鳥たちのたまり場。
一人でパシャパシャ写真撮っていたら、エリートサラリーマンのような格好の紳士に写真撮影をお願いされた。出張か何かだろうか。私は基本的に自撮り欲がないので自分の写真が全くたまらない笑
次はグロースミュンスターへ。ここはプロテスタントで、大きい割に内装は控えめだった。ザンクト・ガレンのを見た後だったので露骨なくらい違いがわかる。
そしてチューリッヒはプロテスタントの重要人物であるツヴィングリゆかりの地でもある。
ジュネーヴではカルヴァンが強調されるのに対して、チューリッヒではツヴィングリがおされるということみたい。
ちなみにミュンスターのすぐ近くにはカール大帝の名を使ったレストランもあったが、ここでカール大帝を推すのはなかなか興味深い。カール大帝はカトリックの象徴だからだ。しかしこのような記述が実はアナクロで、元々カール大帝の意向でどうやらここに大聖堂ができ、後にツヴィングリの改革で今はプロテスタントの場所になったということのようだ。
リマット川の対岸からミュンスターを。
この川沿いもいい雰囲気。チューリッヒは街歩きにとても向いていることを実感する。
次に向かったのはチューリッヒ美術館。6フランの常設展に加え、特別展もやっていた。合わせて26フランのチケットを購入。ロッカーはコイン式で2フラン硬貨が必要だが、私は現金で払ったお釣りで何とかなった。
特別展は何とオスカー・ココシュカ。彼の作品はヴヴェイで鑑賞したばかり。そして私はこちらに来てはじめて認識するようになった。戦後スイスに移住した画家としてスイス人にも愛されているようで、結構賑わっていた。
この絵はウィーンの風景を描いたもので、何も知らないとただののどかな絵にしか見えないが、実はハプスブルクの象徴であった宮殿が1927年にホームレスや孤児たちの住処になっていた時の様子を描いていて、政治的なメッセージ性を打ち出した最初の作品なんだとか。
特別展の後は常設展へ。まずは現代ものから。これは前世紀の終わりにちなんだものみたい。
「毎日が日曜日」という張り紙がたくさん。
100フラン札にも描かれているジャコメッティの彫刻もそこかしこに。そしてこの常設展が実はかなり膨大なコレクションであることに薄々気づいていく。
下はモネとロダンのコラボ。私のパリ巡りのダイジェストにもなっている。
もっと前の時代の絵画も充実。
聖アントニウスが魚に説教中。描いたのはアルノルト・ベックリン。スイスの有名な画家の一人のようだ。
ペスタロッチさんも描かれていた。筑波大の一部ではさん付けで呼ばれているのでそれにあやかっています笑 描いたのはアルベルト・アンカーという人で、スイスではこれまた有名みたい。
実は残念なことに、特別展でほとんど気力を使い切ってしまったため、この常設展を十分に楽しむことができなかった。残念! この常設展は6フランなのでかなりお得だと思われる。スイスの定番をたくさん置いてくれているようなので初心者にも優しい。
外に出ると雨は落ち着いていたので、少しだけ散歩。
最後のは連邦工科大学チューリッヒ校の建物。実はこちらでもらっている奨学金のスイスでの対応機関はここだったりする。無事に最後の奨学金が振り込まれていることも確認したのでお礼がてら拝みに来た。ちなみにチューリッヒ大学は州立で、連邦工科大学はスイスで唯一の国立大学! この話がスイスの地方自治の強さを物語っている。
両大学は少し丘の上にあって、チューリッヒの中心街を見渡せる位置にある。そういえばVはチューリッヒ大にいたことがあると言っていたような。この景色をやはり知っているのだろうか。
ここで一度駅まで戻り、駅前にある大きいおもちゃ屋フランツ・カール・ヴェーバーに入る。
するとあまり期待しないで探していたものを見つける。身内に大好きな人が二人ばかりいるのでそれぞれに一匹ずつ購入。スイスオリジナルモデルではないが、日本国内では販売されていないはず。値段は二体で50フランくらい。
あとは息子向けにこれも仕入れた。あひるなのか牛なのか。お風呂に浮かせて遊ぶやつ。ドイツのLilaluという商品。
そして珍しく夕飯もどこかで食べることにする。
ヨーロッパではじめて日本料理屋に行く。選んだ理由は、寿司とかよりトンカツや天ぷらを推していて誘惑されてしまったことかな。雰囲気もカジュアルで入りやすい感じ。
カツ丼定食。25フラン。
キリンのグラスでスイスビールを飲む。2本飲んで10フラン。
タコ焼き。15フラン。金銭感覚がおかしくなる。。。これは特別この店が高いわけではない。スイス価格。一時帰国以来久々に日本仕様の米を食べた。全体的に日本の定食屋さんに来たみたい。食べ物が出てくるのが早いところまで。まぁたまにはこういうのもいいでしょう。
20時台の電車に乗ってフリブールに戻る。ちなみにチューリッヒ中央駅は44番線まであるようで、その内の半分くらいは地下にある。国際列車も乗り入れていて人がたくさん。引き続きドイツ語圏の観光も開拓していきたい。しかし今日はかなり散財してしまった。