バーゼル観光

朝7時前に起床。予報通り曇りではあったが、せっかくの土曜日なのでプチ観光。ベルン乗り換えでバーゼルに向かう。フランスとドイツとの国境に位置するメトロポリタンな街だとか。

 

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バーゼル駅着。ルツェルン湖の巨大な絵が。この駅はフランス国鉄の駅と隣接しているようなので、国外から来た人向けのプレゼンなのかな。駅自体は実は一部工事中で、ショッピングできる部分が限られていたのが残念。駅前はチューリッヒに比べるとあまり栄えていないことがわかる。旧市街がメインなのだろう。

 

着いた時は幸運にも雨が降っていなかったので、街歩きをしばらく敢行する。

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歩いてすぐ、こんな感じの大きい道路に直面する。ちょっと珍しいタイプ。国境の街だから交通の要衝でもあるのだろうか。

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途中教会の姿がちらり。これはあとで行くことになる聖エリザベート教会。


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しばらくするとシュパーレン門に辿り着く。かつてはここがバーゼル市の玄関口の一つだったわけだが、今では住宅街に佇んでいる。

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上は、あとで行く美術館で展示されていた17世紀前半のバーゼル市を描いた絵。マテウス・メーリアンによるもの。真ん中にあるのがシュパーレン門で、その外に田園風景が広がっているのがわかる。

 

そして今では住宅街となったこのエリアは、バーゼル大学の南にあるエリアでもあり、学生寮などもあったりして理想的な住居環境かもしれない。私の母校は周りが大変殺風景である一方、住まいの方は昔のバーゼルよろしく(笑)田園に囲まれているが、たまに野焼きのニオイがして困ることも。

 

さてそんな静かな住宅街にはあの哲学者も住んでいたらしいのだ。

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バーゼルといえばニーチェだろう。「ここにフリードリヒ・ニーチェが1875年から1876年まで住んだ」とある。またいい具合に落書きがある。こういう表示はヨーロッパの都市だと結構あるようで、パリでもいくつか見ることができた。順路としては、実はさっきのシュパーレン門よりも先にここに来てしまった。ヨーロッパの哲学者めぐり。他にも同様の元住居があるようだが見つからず。みな現役の住宅でもあるのであまり詮索せず歩き回ることに。

 

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シュパーレン門の横にある大学の植物園へ。ニーチェもしばしば散歩したそうだ。規模的にはこじんまりしていてフリブール大のと大差ないような。季節もちょっとオフシーズンだが、春の芽生えもちらほら。

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正確にはアーモンドの花のようだが、分類上は広義にはサクラと呼んでも差し支えないだろう。実はバーゼル市内では、このようにサクラを思わせるような花をいたるところで見ることができた。

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上二枚は大学近くの住宅街で、下二枚はライン川沿いで。都会にも関わらず自然の多様性を感じられる。大学近くの住宅街は、写真のように前庭に草花や木々を植える所がちらほらあって、街歩きする人に優しい。

 

次は街の中心部に移動する。
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面白そうなものがちらほら。

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これはティンゲリーの噴水広場。ネットで動画を探して見た方が面白いかも。ジャン・ティンゲリーフリブール生まれの彫刻家でバーゼルには美術館もあるのだが今回は行けず。フリブールでも街中で彼の作品をたまに見ることができる。ただ、ここの動く噴水はとても面白く、動画を撮っている人もちらほらいた。

 

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噴水広場のすぐ裏にあるのが聖エリザベート教会。元々はプロテスタントの教会だったが、今では開かれた教会をモットーにした団体によって使われているようで、何と教会の一角にはカフェがある。

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中も外も威厳がある感じだが、ちょっとしたギャップがあって面白い。入り口ではUber Eatsの宅配の人のようなお兄さんが誰かとタバコを吸っていて、もしや誰か出前を取ったのだろうか?

 

引き続き教会巡りで、バーゼルのグロースミュンスターに向かう。

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ここは古くからあったものなので、それを感じさせるものがちらほら。

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中はこんな感じ。

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そしてここにはエラスムスが眠っている。バーゼル宗教改革の舞台の一つでもあった。宗教改革に関してはジュネーヴチューリッヒでもその痕跡を感じることができた。

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ちなみに美術館でもホルバインによるエラスムス肖像画を拝むことができる。私は下の絵のマグネットを買ってしまった。

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また教会の裏からはライン川と川向こうの市街が見渡せる。天気が残念だったが、ライン川が身近な存在であることがよくわかる。

 

さて街歩き観光の次は市庁舎。

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市庁舎前はマーケット広場でもあり賑わっていたが、建物がけばい笑 現役の庁舎でもあるようだが、中に入ったところがちょっとした観光スポット。

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こんな感じで全面的に装飾されている。あんまりスイスらしくないような?笑 最後の絵が一番気に入った。

 

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昼飯はミグロで買った具入りパンで済ませる。ライン川を眺めながら。ちょっと寒かった。電車賃がやはりちょっと高かったのでご飯系は節約することに。


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市庁舎のあたりが一番賑わっていたかな。どこかの美術館で若きピカソ展がある模様。「自由通り」なんてのもあったりして中世を感じさせる。スイスの主要ショコラティエの一つであるリンツの店頭にはウサギの姿も。そしてバーゼルは次の月曜からカーニバルが始まるらしく、それに向けた週末という雰囲気だった。

 

午後はいよいよ美術館へ。

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バーゼルでおそらく一番規模の大きい市立美術館。本館と新館、そして離れたところに別館があって共通チケットが16フラン。私は別館には残念ながら体力的に行けなかったのだが、それでも4時間(!)くらい滞在していたようだ。もちろん休憩をはさみながら。

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こちらは新館。現代のものを置くところみたい。展示にはあまり惹かれるものがなかったが、建物の構造が興味深い。

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こんなものも。

 

続いて本館へ。

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常設展は、一階が15世紀から19世紀のもの。二階が20世紀のもの。

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使徒トマス。思わず笑ってしまう。

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可哀そうな洗礼者。

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幼子がぐるぐる巻きにされている。

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15世紀後半の絵だが、右上にメガネがあるのがいい。

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聖人三人衆。ヒエロニムス、フーベルト、アウグスティヌス

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クラナッハ(父)の新着アイテムも。

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ヤン・ブリューゲル(父)の絵。犬がかわいい。ブリューゲルさんのところは画家がたくさんいて区別が大変。

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パネルもこんな感じ。D.J.は若い方で、D.Ä.は年取っている方という意味。この場合はさらに一番有名なブリューゲルよりも後の人であることまで書かれている。

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19世紀。ルノワールやモネなど撮影禁止のものが結構あった。
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こう見ると、一番辛そうだけど20世紀がやはり一番見応えあるような。チューリッヒの市立美術館は、フランスやドイツやスイスのものをいかにも集めました、みたいなところがちょっとある一方で、ここはそこまで地域差を意識せず、作者ごとにさりげなく置いてある感じ。ただ量にはさり気なさはない。たっぷり堪能しました。

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あとは帰るだけだが、名残惜しいのでライン川沿いを散歩。結構歩いてしまったが、市民も同じようなことをしていた。

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駅で少し買い物。なぜか世界中のビールが売っているお店があって、日本のものもあった。左のサッポロのやつは輸出用かな?

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ドイツの白ビールを車内で。スイス国鉄では特に週末の夕方以降だとビールを飲んでいる人をよく見かけるのでご相伴にあずかることにする。

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バーゼル名物のレッカリというお菓子も購入した。甘すぎないので思わず食べすぎてしまう。たくさん買ったので研究室用のお土産にしようかな。

 

フリブールには20時ごろに着く。駅に隣接するコープでの買い物に間に合う。適当なパンと、いくつかのつまみで土曜日の晩酌。

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メルロー種の赤ワイン。フリブール州のマークが入っているが、ブドウはラヴォー地区、つまりレマン湖沿いのものらしい。どうやら畑を持っているようだ。疲れもあっていつもよりは早く就寝。