アテネ最終日

この日は7時台には起床して8時台には朝食を済ませ、10時くらいにホテルをチェックアウト。前払いだったので一瞬で終了。WIFIがいまいちだったが、他は全般的に便利でよかった。トイレットペーパーが流せるのも衛生的でよし。

 

今日はスイスに戻る日なので、観光はほとんどせず。ただ時間が少しあるので、まずはアテネ大学の近くにあるポリティアという書店に行く。いくつかのフロアを有している本屋で、専門書も充実。購入したのは以下。

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右下の二冊はプラトン『国家』の対訳本で、それ以外は何と中世哲学の本! 左下はDe ente et essentiaというトマス・アクィナスが書いた初期著作の現代ギリシア語訳。ラテン語との対訳で、見ているだけで感動する。
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他は、左上が政治思想に関するアンソロジーで、やはりトマスによる『君主の統治について』のギリシア語訳を所収。右上は何とアンソニー・ケニーという研究者によるトマスの概説書のギリシア語訳。古代ギリシア哲学の研究書に関してはもっと翻訳されているようだ。ちなみに全部で50ユーロくらいで、書物もどうやら安いようだ。ポリティアは他にも西洋哲学のコーナーだけでもなかなかの充実度だったので、1時間ほどだが楽しむことができた。

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アテネ大学の建物。

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こちらはアテネ・アカデミー。やはり立派な建物。

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右がソクラテス

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左がプラトン。こういう時にアリストテレスはあまりフィーチャーされないが、おそらくアテネ出身ではないからかなと邪推している。おそるべしアテネ中心主義?

 

ここらでちょっと落ち着ける場所を求めて、アテネ国立庭園をウロウロし、そういえば大通り沿いにちょっとお洒落な感じのカフェみたいな所があったなと思い、トイレも近くなってきて荷物も重かったのでそこで寛ぐことにする。Oasisという店。客引きも兼ねているウェイターのおじさんも感じがよさそうだったので、ついでに昼飯も食べることにする。しかしメニューを見せてもらって最初の驚きが発生する。シーフード料理単品の平均価格が何と20ユーロを越えていた。スイスなら平常運転だが、ここはギリシアだ。しかしアクロポリス博物館周辺の店なんかはちょっと割高だったし、観光客基準の価格かもしれないと思ってサーモンのグリルを注文。これで21ユーロくらいだったかな。ビールもFIXというギリシアのビールを一瓶飲んだが、これは6ユーロだった気がする。やはり高い。グリルは割と量があって普通においしかったのだが、提供されたパンの量がギリシアにしては少ない。その割に、合わせて頼んだギリシア料理定番のソースであるτζατζίκιの量はたっぷりあった。最後に、ソフトクリーム入りのアイスコーヒーを頼んで、すべてを終えてお会計。すると合計40ユーロを越えていた! スイスではこれでも別段高い方ではないが、ここはギリシアだ(二度目)。もちろん今回の滞在中で最高額を更新。それくらいギリシアは、高級レストランにでも行かない限り、そこそこお酒を飲んでも安くつくのです。そして値段のからくりは、一つあたりのものの値段が高いことに加えて、何とソースや水が有料だったこと! ソースに関してはそれだけで5ユーロという恐ろしい値段設定。普通、水、パン、ソースなんてセットでついてくるのでわざわざ料金を取られることはないのです。たしかにスイスでは水、パンなどが無料でないことはしばしばだが、ここはギリシアだ(三度目)。スイスマインドの私はお金を払ってしまったが、アテネに行く人は基本的に行かないことを強くオススメします。もし最初にこういう店に行ってしまったら色々悲しいと思うので。以下に詳細を貼っておきます。

ΟΑΣΗ ΖΑΠΠΕΙΟΥ
Leoforos Vasilisis Amalias 405, Athina 105 57 ギリシャ
https://maps.app.goo.gl/sCGBA

グーグルのレヴューでもギリシア人たちがたくさんマイナス評価をしていて、特にカクテルは最悪らしい。私がいる間にも観光客らしき人たちだけでなくてギリシア人も結構客として来ていた。全員が食事していたわけではないがどうだったのだろうか。料理はおいしかっただけにモヤモヤしてしまう。他にもこういう店はあるかと思うので、やはり入る前にググるのがベストですね。ネットで探して評判がよかった所は基本的にアタリだったので、そういうことだろう。今回の旅はグルメもメインの割にあまり下調べしなかったが、引っかかったのはこれくらいなので運がよかったのかもしれない。

 

さて、あとは空港に行くだけの状態になる。フライトまでは3時間くらいの余裕を持たせていて、ちょっと多いかと思ったが、それも結果的には幸運に働いた。通常はシンタグマ広場から出ている空港行きのバスに乗ればいいのだが、何とシンタグマ広場が何らかの理由で交通規制が行われていて、車両などの通行ができない状態に! その関係でバスの運行もイレギュラーな感じだったようで、通常の乗り場では乗れず、メトロの方の窓口に行って下さいみたいな案内が貼ってあった。周りには同じように困った感じの観光客がウロウロしていて、あんまりよくない状況。バスに乗れるかよくわからないし、通常以上の混雑が予想されるし、何より人混みが多そうな時に荷物を持ってメトロの方には行きたくない。ヨーロッパでまだ私は一度も地下鉄に乗っていないのです。外国で乗ったのは台湾の地下鉄だけだ。ということで、これもまた冒険だったのだが、タクシーをつかまえることにした。タクシーは街中でよく黄色いものを見かけるので、まぁ大丈夫だろうと一台つかまえて空港までお願いする。有料道路を使ってくれたりして、30分程度で空港着。早いし快適。途中私はちらちらグーグルマップを覗いていたが、最短距離で行ってくれていた模様。怖いのは値段で、40ユーロピッタリと言われたので、おそらくチップ込みだなと思いつつも50ユーロを渡したら、ちゃんとお釣りをくれたので一安心。あとで調べたら、市内中心部から空港までは一律35ユーロとのことなので、やはりチップをちゃんと取ってくれたようだ笑 まぁおかげでフライトには余裕で間に合ったので感謝。チェックイン待機中に『星の王子様』ギリシア語版を入手。今フリブールのアパートにあるのは↓

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バーゼル方言版がちょっとレアかもしれない。

 

チェックインを済ませ、荷物検査もし、搭乗まで待機の間に最後のギリシアビールを。

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おいしかった。実際にギリシアに来て収穫だったことの一つは、ビールがとてもおいしいことだ。暑いところでは大概うまいかもしれないが、東南アジアのようにスッキリとしたビールだけでなくて、もう少し味のある濃いビールがたくさんあって、もちろん料理にも合う。日本で見つけたら買ってしまいそう。

 

現地時間で16時台の飛行機に乗りジュネーヴへ。何と行きに一緒だったどこかの学校の生徒たちと同じフライトだった。手に持っていたパスポートがバラバラだったので、語学学校かなんかの研修旅行だったのかもしれない。フライトは無事に済み、ジュネーヴ空港からフリブールまで電車で移動し、コープで買い物して帰宅。惣菜のサラダが高いやつだと10フランとかで、あ、スイスだ笑 私は5フランのにして、バナナと飲み物を買う。疲れていたのでバスを使い、簡単な夕飯を済ませ、前日分のブログを更新して就寝。そろそろ追いつくかな。