春の芽生え

通常の起床だが二度寝。午前中はダラダラして昼頃に朝兼昼食。このままだと全く無為な日になりそうなので、16時台に外出。

 

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大学のキャンパスをよくよく見渡すと、フリブールでも春の訪れを感じることができるようだ。日も長くなっているし、月末にはいわゆるサマータイムが始まる。私の場合はちょうどサマータイムが始まる日に帰国なので気をつけたい。時間が早まるからね。しかし腕時計を持っていない身としてはただ適応だけに気をつければよい。

 

17時に研究室に着いて論文読み。オリヴィが天使の種について論じている箇所があることをすっかり忘れていたことに気がつく。しかしこの箇所を使えばいい感じになりそうな気がしてきた。自転車操業。そろそろ資料のスキャンもたくさんやっておきたいところ。20時くらいまで居座る。

 

まっすぐ帰宅して夕飯を作る。いつものジャガイモ炒め。

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ズッキーニ、タマネギ、ニンニク。肉なしだがいつもバターをたくさん使っていて十分ジャンキー。こちらで編み出した自分なりの節約飯。今日はチーズを添えて。チーズはせっかく気軽にうまいものをたくさん食べられる環境にいるのだが、そんなにはチャレンジしていない。売っている量がだいたい多いので、一回買うとなかなか減らないのだ。ちなみに夕飯はちょっと多かったみたいで結構残す。冷めても温め直したりできるタイプでもあるので問題なし。

 

食後は少しダラダラして、久しぶりに現代の方のギリシア語の入門書を眺める。そろそろ行くなら色々手配しないといけない。飛行機に乗らないといけないのがちょっと億劫。あとは財布と相談。そして諸々の進捗。私としては観光も勉強の一環なのでどれもうまくこなしたい。

バーゼル観光

朝7時前に起床。予報通り曇りではあったが、せっかくの土曜日なのでプチ観光。ベルン乗り換えでバーゼルに向かう。フランスとドイツとの国境に位置するメトロポリタンな街だとか。

 

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バーゼル駅着。ルツェルン湖の巨大な絵が。この駅はフランス国鉄の駅と隣接しているようなので、国外から来た人向けのプレゼンなのかな。駅自体は実は一部工事中で、ショッピングできる部分が限られていたのが残念。駅前はチューリッヒに比べるとあまり栄えていないことがわかる。旧市街がメインなのだろう。

 

着いた時は幸運にも雨が降っていなかったので、街歩きをしばらく敢行する。

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歩いてすぐ、こんな感じの大きい道路に直面する。ちょっと珍しいタイプ。国境の街だから交通の要衝でもあるのだろうか。

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途中教会の姿がちらり。これはあとで行くことになる聖エリザベート教会。


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しばらくするとシュパーレン門に辿り着く。かつてはここがバーゼル市の玄関口の一つだったわけだが、今では住宅街に佇んでいる。

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上は、あとで行く美術館で展示されていた17世紀前半のバーゼル市を描いた絵。マテウス・メーリアンによるもの。真ん中にあるのがシュパーレン門で、その外に田園風景が広がっているのがわかる。

 

そして今では住宅街となったこのエリアは、バーゼル大学の南にあるエリアでもあり、学生寮などもあったりして理想的な住居環境かもしれない。私の母校は周りが大変殺風景である一方、住まいの方は昔のバーゼルよろしく(笑)田園に囲まれているが、たまに野焼きのニオイがして困ることも。

 

さてそんな静かな住宅街にはあの哲学者も住んでいたらしいのだ。

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バーゼルといえばニーチェだろう。「ここにフリードリヒ・ニーチェが1875年から1876年まで住んだ」とある。またいい具合に落書きがある。こういう表示はヨーロッパの都市だと結構あるようで、パリでもいくつか見ることができた。順路としては、実はさっきのシュパーレン門よりも先にここに来てしまった。ヨーロッパの哲学者めぐり。他にも同様の元住居があるようだが見つからず。みな現役の住宅でもあるのであまり詮索せず歩き回ることに。

 

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シュパーレン門の横にある大学の植物園へ。ニーチェもしばしば散歩したそうだ。規模的にはこじんまりしていてフリブール大のと大差ないような。季節もちょっとオフシーズンだが、春の芽生えもちらほら。

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正確にはアーモンドの花のようだが、分類上は広義にはサクラと呼んでも差し支えないだろう。実はバーゼル市内では、このようにサクラを思わせるような花をいたるところで見ることができた。

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上二枚は大学近くの住宅街で、下二枚はライン川沿いで。都会にも関わらず自然の多様性を感じられる。大学近くの住宅街は、写真のように前庭に草花や木々を植える所がちらほらあって、街歩きする人に優しい。

 

次は街の中心部に移動する。
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面白そうなものがちらほら。

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これはティンゲリーの噴水広場。ネットで動画を探して見た方が面白いかも。ジャン・ティンゲリーフリブール生まれの彫刻家でバーゼルには美術館もあるのだが今回は行けず。フリブールでも街中で彼の作品をたまに見ることができる。ただ、ここの動く噴水はとても面白く、動画を撮っている人もちらほらいた。

 

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噴水広場のすぐ裏にあるのが聖エリザベート教会。元々はプロテスタントの教会だったが、今では開かれた教会をモットーにした団体によって使われているようで、何と教会の一角にはカフェがある。

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中も外も威厳がある感じだが、ちょっとしたギャップがあって面白い。入り口ではUber Eatsの宅配の人のようなお兄さんが誰かとタバコを吸っていて、もしや誰か出前を取ったのだろうか?

 

引き続き教会巡りで、バーゼルのグロースミュンスターに向かう。

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ここは古くからあったものなので、それを感じさせるものがちらほら。

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中はこんな感じ。

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そしてここにはエラスムスが眠っている。バーゼル宗教改革の舞台の一つでもあった。宗教改革に関してはジュネーヴチューリッヒでもその痕跡を感じることができた。

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ちなみに美術館でもホルバインによるエラスムス肖像画を拝むことができる。私は下の絵のマグネットを買ってしまった。

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また教会の裏からはライン川と川向こうの市街が見渡せる。天気が残念だったが、ライン川が身近な存在であることがよくわかる。

 

さて街歩き観光の次は市庁舎。

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市庁舎前はマーケット広場でもあり賑わっていたが、建物がけばい笑 現役の庁舎でもあるようだが、中に入ったところがちょっとした観光スポット。

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こんな感じで全面的に装飾されている。あんまりスイスらしくないような?笑 最後の絵が一番気に入った。

 

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昼飯はミグロで買った具入りパンで済ませる。ライン川を眺めながら。ちょっと寒かった。電車賃がやはりちょっと高かったのでご飯系は節約することに。


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市庁舎のあたりが一番賑わっていたかな。どこかの美術館で若きピカソ展がある模様。「自由通り」なんてのもあったりして中世を感じさせる。スイスの主要ショコラティエの一つであるリンツの店頭にはウサギの姿も。そしてバーゼルは次の月曜からカーニバルが始まるらしく、それに向けた週末という雰囲気だった。

 

午後はいよいよ美術館へ。

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バーゼルでおそらく一番規模の大きい市立美術館。本館と新館、そして離れたところに別館があって共通チケットが16フラン。私は別館には残念ながら体力的に行けなかったのだが、それでも4時間(!)くらい滞在していたようだ。もちろん休憩をはさみながら。

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こちらは新館。現代のものを置くところみたい。展示にはあまり惹かれるものがなかったが、建物の構造が興味深い。

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こんなものも。

 

続いて本館へ。

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常設展は、一階が15世紀から19世紀のもの。二階が20世紀のもの。

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使徒トマス。思わず笑ってしまう。

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可哀そうな洗礼者。

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幼子がぐるぐる巻きにされている。

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15世紀後半の絵だが、右上にメガネがあるのがいい。

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聖人三人衆。ヒエロニムス、フーベルト、アウグスティヌス

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クラナッハ(父)の新着アイテムも。

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ヤン・ブリューゲル(父)の絵。犬がかわいい。ブリューゲルさんのところは画家がたくさんいて区別が大変。

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パネルもこんな感じ。D.J.は若い方で、D.Ä.は年取っている方という意味。この場合はさらに一番有名なブリューゲルよりも後の人であることまで書かれている。

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19世紀。ルノワールやモネなど撮影禁止のものが結構あった。
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こう見ると、一番辛そうだけど20世紀がやはり一番見応えあるような。チューリッヒの市立美術館は、フランスやドイツやスイスのものをいかにも集めました、みたいなところがちょっとある一方で、ここはそこまで地域差を意識せず、作者ごとにさりげなく置いてある感じ。ただ量にはさり気なさはない。たっぷり堪能しました。

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あとは帰るだけだが、名残惜しいのでライン川沿いを散歩。結構歩いてしまったが、市民も同じようなことをしていた。

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駅で少し買い物。なぜか世界中のビールが売っているお店があって、日本のものもあった。左のサッポロのやつは輸出用かな?

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ドイツの白ビールを車内で。スイス国鉄では特に週末の夕方以降だとビールを飲んでいる人をよく見かけるのでご相伴にあずかることにする。

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バーゼル名物のレッカリというお菓子も購入した。甘すぎないので思わず食べすぎてしまう。たくさん買ったので研究室用のお土産にしようかな。

 

フリブールには20時ごろに着く。駅に隣接するコープでの買い物に間に合う。適当なパンと、いくつかのつまみで土曜日の晩酌。

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メルロー種の赤ワイン。フリブール州のマークが入っているが、ブドウはラヴォー地区、つまりレマン湖沿いのものらしい。どうやら畑を持っているようだ。疲れもあっていつもよりは早く就寝。

雨のち晴れ

起床は遅め。ゆっくりと朝のタスクをこなしていたらどうやら外は雨模様。学食に行くのは断念して朝兼昼を家ですませる。

 

郵便受けを見に行くと移民局からスイスを出ることの証明書が届いていた。早速これをスキャンしてSwisscareにキャンセルの手続きをメールでお願いすると、数時間後に完了のお知らせが。みな仕事が早くて感動する。

 

しばらくすると晴れてきたので15時くらいに外出。珍しくFNACに寄って本とノートを買う。一冊あたり高いノートが売っているなぁと思ったら日本製だった。安いフランスのものを買う。

 

あとはいつも通りまっすぐ研究室に向かえばいいのだが、ふと行ったことのない道を歩いてみることにする。すると面白いものを見つけた。

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電話ボックスだったものを何と小さいアートコーナーにしている模様。La Cabinerieと呼ばれているみたい。そして展示されていたのはLooking for Leninという展示。本もあるらしく大変興味深い。

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夜もライトアップされていていい感じ。こういうのは結構好きかもしれない。

 

研究室では雑用と論文読み。合間にスキャン。

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小腹すいた時の食料は新しいもの。菓子パンの類。イタリア産。デパートのManorはこういうアイテムの品揃えがいい。何となくイタリアのものが多い気がする。ミラノで泊まったホテルでも、朝食コーナーにはこういうのがたくさん置いてあった。流石イタリア。

 

今日も22時くらいまで粘り、家にまっすぐ帰る前にまた少し散歩してしまう。

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夜の大聖堂。威厳があってよい。金曜の夜は周りもそこそこにぎやか。

 

ふと缶ビールでも買って帰ろうかと駅ナカCoopに寄ったら、アルコール販売が22時で終わっていた。こういう時は日本の方が便利かもしれない。しかしこれは今日もアルコールなしにするべしということだと解釈して面白そうなものを買う。

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緑茶スパークリング。オーストリアのものらしい。どこかで飲んだような味。一応日本をフィーチャーしているみたい。夕飯はCoopで買ったサラダと、家にあったリゾット。結果としてそんなに安上がりではなかった。

意外と晴れ間が?

通常の起床だが二度寝。11時からアパート下見希望者が来る予定だったので、それに間に合うようにシャワーを済ませたら電話があり、どうやら延期になった模様。具体的な日にちについてはまた折り返し電話があるようなないような。この件については、月曜日に知らないところから最初電話があり、番号を検索したらフリブール市のService des curatelles d'adultesという役所だった。curatelleは日本語訳すると法定代理人なのでちょっと身構えてしまったのだが、どうやら何らかの障害がある人のアパート探しを役所が代行するサービスの一環だった。しかし延期してしまったので実際に下見があるかはわからない。

 

いつもの時間に外出し、駅前のコープで靴下を2セット購入。食料などもマノールで少し仕入れる。マノールの食品売り場は特に復活祭モードではなかった。

 

学食もいつもの時間。

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お米を堪能する。


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今日は予報では雨だったのだが、午後はよい天気。写真は学食を出たところから。真ん中にあるのはアンリの塔と呼ばれるもので、15世紀はじめの建造。こういう古いものがちょこちょこあるのがフリブールらしいところ。

 

午後はずっと研究室。間にちょっとだけスキャン。Vが最初に帰り、19時過ぎくらいにFも学食に行くため退室すると言ったので、せっかくだから一緒に行くことにする。夜に来るのははじめて。フォンデュなんかも食べられるみたい。私たちは標準のメニューにする。8.30フランでやはりリーズナブル。また四方山話。ちょっとだけ個体化の話をして、続きを来週にすることにする。彼は早速週末を楽しむ予定があるようで何より。私もどうしようか考え中。

 

食後に別れて私は研究室に戻るが、昨日と同じくいまいち。ちょっとうたた寝して帰宅。もう夕飯を食べているからラクだが、やはりアパートに戻ってくるともう何かをやる気がしない。ちょっとだけ雑用して就寝。

三月兎

起床は通常通り。朝から古典ギリシア語と向き合って、12時過ぎに外出。『国家』の英訳は、もう少し逐語的に訳してくれているものを確保しておいた方がよさそうだ。

 

大学に行く前に駅前のショッピングセンターに寄る。コープをうろうろしていると、既に復活祭に向けた動きが見られた。

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ウサギのチョコが大量に売られている。別のショコラティエでも同じだった。

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他の店もちょっと覗いてみようかな。味はおそらく普通だろうから、自分用に一つくらい買うかもしれない。

 

そんなこんなで研究室に行くと、VとFは既にいた。やはり私は重役出勤のようだ。先に退室したFが学食に行ったみたいなので、追いかけて合流する。四方山話。お互い非母語としてフランス語を話しているわけだが、向こうはたまにイタリア語が混じったりする。ロマンス語の中でも近い方なので何とかなるのがすごい。そもそも非欧米語母語話者にとってはそういう技が使えないのが残念だ。TOEFLを受けた時に、スピーキングの最初の方をうっかりフランス語で始めてしまっている人がいたが、こういう芸当は日本語母語話者にとっては普通はありえないのではと想像する。

 

研究室に戻ってしばらくし、Tさんの講義に向かうことにする。研究室を出てすぐの所で会ったので、ついでに某申請についても念押しで聞いて、大丈夫なことを確認する。数年おきにやってくる申請書の季節がやってきた。

 

今日は珍しくTさんは風邪気味で少し不調だったが、アヴェロエスについての授業は無事に進む。トマスによる批判が詳細に語られる。可能知性離在説がプラトン主義的だと言われる一方で、アリストテレスに忠実なはずのトマスも魂がある意味では離在的なことを認めているからやはり同じようにプラトン主義ではないかというまっとうな質問があった。トマスにとっては魂の不死を護持する必要があったから、とまずは標準的な答えがあった上で、このややこしい問題の一つの帰結が、魂の不死を哲学的に論じなくなってしまう流れに行き着くこと(その一つの到達点がポンポナッツィだろう)に言及が及ぶ。もう一つには、フランシスカンに典型的な実体形相複数説にも言及が及び、オリヴィもちょっとだけ登場。ドミニコ会士がたくさんいるこの大学で、Tさんはトマスだろうがフラシスカンだろうが何でも精力的に取り組んでいていつもながら感動する。

 

研究室に戻りVが帰った後も粘ろうとするがいまいち。うたた寝してもいまいちなので21時過ぎには帰宅準備。夕飯はいつものジャガ炒め。

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今週は今のところノンアルコール。同じ名字の友人がたまにやり取りする時に酒の飲みすぎ注意と言ってくれるのだが、どうやら問題なさそうで、むしろその友人の方がちょっと飲みすぎなのを心配している。

 

食後は久々にRと長電話。イタリア留学の厳しさについて色々知る。それでも何とかなるようなならないような、やっぱり何とかなりそうな状態のようだ(自分でも何を言っているかわからない)。私も何とかやっていきたいと思う。

束の間の晴れ間?

朝は7時前に起床。昨日よりも余裕をもって朝のタスクをこなし、10時過ぎよりタンデム開始。せっかくなのでキットカットルビーチョコ味をお裾分けする。ルビーチョコについて特に知らなかったようだ。この様子では、街中に本格的に出回るのは当分先かも? せっかくスイスで開発されたのに。タンデムでは観光の話などをする。今日はまあまあ話せたか。


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アパートの中庭をはじめて通って一度家に戻り、12時台後半に大学へ向かう。学食のメニューは以下。

Potage 
Stroganoff de dinde (D) 
au coca 
Pâtes 
Courgettes au thym

肉はターキーでした。デンマーク産かな? お金を払う時に50サンチーム硬貨と他の硬貨を取り間違える。実は二日連続。財布の中の小銭を少し減らさなければ。

 

研究室に戻ってしばらくすると、今月から訪問研究者として滞在するFがやって来る。彼はイタリア人だが、リンガフランカということでフランス語で話す。専門内容が近いこともあって、これから色々と意見交換したいところ。Vには初日からお世辞を飛ばしたりしていた。研究室に入ってから本棚をじっと見ていたのは共感できる。

 

15時15分から今日は講演会。DA氏による新プラトン主義におけるprovidenceの話。プロティノスとプロクロスの相違に関する話が興味深かった。学部ゼミのスペシャル回を兼ねていて内容が噛み砕かれていたのか、例によって配布資料は引用テクストだけでスライドなんてないが、おおよその流れはつかむことができた。質問は特に思いつかなかったが、後で興味深かった点をちょっとだけ話した。そういえば今日はフランス語活動が割といい感じじゃないか?

 

そんな気持ちでK教授の講義に向かったが、どうやらここで疲れが出てしまい集中力が途切れがちに。プラトンの言語理論について、テアイテトス、ティマイオス、第七書簡が参照されていったが、いまいちポイントをつかめず。来週からはアリストテレス。それまでに復習しておきたい。

 

授業後は中央図書館でスキャンしつつ、研究室に戻って三田の勉強会の訳稿を検討したりする。今日も22時くらいまで居座る。

 

帰宅途中で、仮装している若者たちをたくさん見た。カルナヴァル延長戦だろうか? あと、ペロル大通りにある花屋のディスプレイが新しくなっていた。

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帰宅して今日もピザ。週末に予定されていたティチーノ旅行は日程を変更することになった。中止にならなくてよかった。ミラノのRは生活費のために色んな仕事をしているらしく、↓を見せてもらう。

https://numero.jp/news-20190226-phenomenonrgb/p3

なかなか大変そうだが、応援しております。

 

今週末はフリーになったので、また日帰り観光を画策中。しかし今週末は天気が悪そうで運次第かも。

雨風が強い

朝は6時台には起床し、シャワー、朝食。息子生中継をはさんで、9時からタンデム。休日の仕組みや学校の仕組みなどを話す。私はallerの活用であるvontが言えなくなる大チョンボをしてしまう。活用はいまだに安定しない。一時間くらいして今日は解散。

 

頭がかろうじてフランス語モードなので、そのままバスを使って移民局に突撃し、フリブール州およびスイスを出ていく日を正式に告げに行く。書類を一枚書かされ、証明書が必要な場合は30フラン払い、今週中には郵送されてくるとのこと。証明書は健康保険やインターネットの解約に不可欠。今回の滞在では後者は関係なかったが、前者に必要。ちなみに滞在許可証も本来はもう回収されてしまうようだが、旅行の予定があると言ってもう少し待ってもらう。なのでもう一回行かなければ。対応してくれたのはいつものお兄さんで、この移民局のアジア、アフリカ、アメリカ大陸担当窓口は割と好感を持っている。

 

バスで駅前まで行こうと移民局から近くのバス停に向かう途中で突然の強風と土砂降り。びしょ濡れでバスに乗る。折り畳み傘がさせないほど。駅前まで戻り、コープで少し買い物をして、再びバスに乗って大学へ。雨はずっと強い。今日はバスの一日乗車券を買ってよかった。

 

11時台には研究室に。Vは既に出勤していたがテンションが低い。どうやら体調がよくないようで、あとでサッサと帰ってしまった。私はスキャンをしてから学食。献立は以下。

Potage
Epaule de porc au romarin (CH) 
Spätzli 
Choux-de-Bruxelles 

豚肉は少しおまけしてもらった。Spätzliはパスタの一種だが、いつも焦げ目がつくくらいに炒められて出される。大満足。

 

食後は研究室で粘る。小一時間のうたた寝もはさみつつ。オリヴィ研究の大家の一人Bettoniの研究書の一部を丹念に読む。オリヴィの翻訳されていないテクストをパラフレーズしてくれている箇所で重宝する。

 

今日はコープでいいものを見つけたので、おやつにする。

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キットカットのルビーチョコ味。ルビーチョコ初体験。日本でも売られているようだ。この一パックで2.5フランした。4本入り。キットカットってこんなに高かったっけ。肝心の味はまだそんなに掴めていないが、たしかに言われてみると酸味が少し独特かも。他の商品でルビーカカオ豆が使われているものを探したい。業務用なんかも存在するらしいが。

 

合間にまたスキャンや図書室めぐりをして22時ギリギリまで粘る。バスを使って直帰して、焼くだけピザ一人前を夕飯にする。週の前半は忙しいのでこれが無難。食後は久々に古典ギリシア語にきちんと向き合う時間をとる。手元に辞書がなくても色々調べられる世の中になって本当によかった。インターネットがない時代だったら、私は留学なんてとてもできなかったと思う。