アテネ三日目
今日は8時くらいに起床。観光の後半戦はゆっくりやる予定。9時前くらいに朝食コーナーに行くと賑わっていた。温かい食べものも少しだけあった。
部屋に戻って少しゆっくりしつつ、今日の目的地に向かうことにする。オモニア広場付近から51番バスに乗り、Κρατυλουという所で降りる。
今は公園になっているが、こここそ、かつてアカデメイアがあった所だ。
これは体育場の跡みたいだが、こんな感じであまり観光向けにしっかり整備されているわけではなくて、普通の大きい公園の所々に古いものが転がっている感じ。
リュケイオンよりはこちらの方が日陰があるので逍遥に向いているかもしれない。
もうちょっと何かないの? と言う人のためにか、新しい建物で、ちょっとした展示施設があった。「プラトン・アカデミー:デジタル博物館」という名前で、一応デジタルを売りにしているらしい。無料。
クイズコーナーがあったが、デジタルと非デジタルの二種類を完備。非デジタルは二つあったが、上は想起説に関するもの。ご覧の通り、すべての展示がギリシア語と英語併記で、バルバロイにもやさしい設計笑。
クイズは選択式で、下にある板をめくると答えが書かれている仕組み。解説では生得観念説と経験主義に関する解説があったりして、その内容はさておき、このような展示が一般向けにあることに感動する。現地の中高生らしき人たちの集団がいたりして、教育施設として機能しているようだ。
そしてこの施設の目玉は映像コーナー! 『国家』の正義論、『パイドロス』の魂論、『饗宴』のエロース論の豪華3本立ての小劇場と、『国家』の洞窟の比喩専用のブースの二つを完備。おそらくこれがやりたかったのではないかと邪推している。一枚目は『国家』の冒頭、二枚目と三枚目は『饗宴』から。三枚目の真ん中にいる人は途中で乱入してくるあの人です。
総じて教育施設としてなかなか興味深いところだった。
アカデメイア跡の近くにはこんな名前の店も。現代読みだとポリティア。日曜だったこともあり、ここらへんは人々の憩いの場として機能していることが窺えた。アカデメイア跡地はかつてのように幾何学を知らないと入れないことはないのでご安心を。
アカデメイア跡を堪能した後は、オモニア広場付近までバスで戻り、南下してモナスティラキ広場へ。ものすごい人。お土産屋や飲食店が並ぶ路地を進んで、古代のアゴラだったところに向かう。アクロポリスなどとの共通チケットで入場可。
ヘパイストス神殿もある。昨日アクロポリスに行ってしまったので観光スポットとしてはそこまでの感動はなかったが、ソクラテスたちはここで議論していたのかと思いを馳せる。裏手がちょうどアクロポリス。
古代のアゴラのすぐ近くには、ストア派発祥の場所であるストア・ポイキレーの跡地も。建物や金網に囲まれていて入ることはできず。同名のビストロみたいなお店があって、そこのテラス席から眺めることができるようだった。
私は引き続き観光を続行する。オモニア広場の方まで戻って、49番バスの乗り場で待機。待ち時間の間に、オモニア広場にあるベーカリーでホットドッグを買って昼御飯にする。3ユーロくらいだった。予想に反して冷えていたが、野菜たっぷりでうまかった。しばらくしてバスに乗り、終点まで向かう。三、四十分といったところ。
着いたのはピレウス港。今でも立派な港だが、古代でもペイライエウスの名で知られていた所だ。観光だと普通は船などに乗りに来る人が訪れるだけの所みたいだが、私がここに来たのはプラトン『国家』に引き寄せられてだ。『国家』の冒頭は、ソクラテスたちがまさにこの港までお祭りを見に(徒歩で!)来て、歩いて帰ろうとしていたところから始まる。上で貼ったプラトンのデジタル博物館の映像コーナーからの写真の内、一枚目がそれにあたる。ただし、港のターミナル部分は閉まっていたので、あとは海沿いを散歩することにする。
しばらくするとリゾート地のような光景。飲食店もかなり賑わっていて、散歩する人も多数。海辺で私もくつろぐことにする。
お供はキオスクで買ったビール。2ユーロくらい。やはり日曜だということもあって現地の人が憩いに来ているのがよかった。港の方は少しガラが悪いと聞いていたが、このリゾートエリアみたいな所は全くそんなことなく、アテネ中心部より街並みもキレイな気がした。ビールを飲み終わり、引き続き海沿いを散歩し続ける。
小さな礼拝堂らしきものがあったり。
海洋博物館の一角。子どもたちが遊んでいた。もうしばらく歩いて、シンタグマ広場行きの40番バスの乗り場で待機。合間に近くの店でコーヒーをテイクアウト。ギリシアコーヒーというやつを試してみる。1.5ユーロくらいだったかな。シングルかダブルの選択でシングルにしてみたが、ダブルの方がよかったかもしれない。雰囲気としてはトルココーヒーに近くて、全部飲み干さず、上澄みを飲むスタイル。ギロスの文化といい、ギリシアとトルコは近いことがよくわかる。しばらくしてバスに乗り終点まで。バスはこれが乗り納めとなったが便利だった。チケットは車内にある機械にあててデジタルに打刻する方式。進んでいる。
シンタグマ広場には18時台後半くらいに着く。今日はこれから夕飯を食べに行くことにする。アンドレアス・シグロス通りを南下しつつ、路地に入っていき、目的の店に向かう。途中New York Collegeという所で大行列があって、どうやらJapan Festivalなるものをやっていたようだ。アテネでもこの手の日本人気を見ることになるとは。和服でも着ていれば英雄になれたかもしれない。
目的地はスホラルヒオというお店。ここもネットで見つけたところ。
別々に頼んでみたが、安いセットメニューもあったりして、いずれにしてもコーヒーやらワインデカンタ一瓶含めて20ユーロは越えない。ムサカとアンチョビのフライ。ムサカはここの方がよく知っている味に近いかも。デザートはサーヴィス。本当に安い。パンや水は当然無料。若いウェイターのお兄さんにはカタコトの日本語を話しかけられたりした。食べ終わって歩いてホテルまで戻ることにする。
ホテルの近くはやはりガラが悪いのだが、所々チャイニーズ系の店なとがあったりして、移民の人たちの店が多いエリアでもある。ミラノで泊まったホテルのあるルイジ・カノニカ通りも、チャイナタウンの一角だったりして、その方がアジア人が歩いても不自然さが軽減されるから気が楽だったりもする。
しかし今日一日はアクロポリス博物館で買ったこのTシャツを着ていたので、観光客感丸出しだったかもしれない。前日分のブログを更新して就寝。
アテネ二日目
6時台には起きてシャワー、朝食。早く行ったせいか温かい食べものがなかった。ネスカフェのマシンがあったのでコーヒー系は充実。あとヨーグルトがおいしかった。
8時前にはホテルを出てアクロポリスに向かう。アクロポリスはいつも混む場所なので朝イチがよいとの情報を目にしたため。
チケットを買って入場。他の場所にも行ける共通チケットを購入。30ユーロと割高だが、アクロポリスだけでもこの半分くらいの値段なのでいいでしょう。例によって5日間有効なので便利。
中は広いので逍遥できるが、今日はちょっと暑い。日中は最高で20度を越えたようだ。
中には色々と重要なものがたくさんあるが、やはりパルテノン神殿でしょう。もう何十年も工事していて中には入ることができないが、存在感は圧倒的。アテネが経験してきた歴史の変化に応じて、教会になったりモスクになったりしつつも、今なお存在し続けている。興味深い。
街の眺めもよい。アテネは大都会だ。空も美しい。
ちなみにこのアクロポリスエリアにも野良犬や野良猫がウロウロしている。写真には犬がいます。どこでしょう? ナチュラルすぎてびっくり。私は日本では子どもの時にかろうじて野良犬を見たことがあるくらいだけど、アテネでよく見るやつは基本的にデカイ。しかし犬を見るたびにディオゲネスについて考えてしまう。2時間強堪能して次の場所へ。アクロポリスからアンドレアス・シングロス通りに出て、アテネ国立庭園の中を抜けて目的地へ。
アリストテレスの学校があったリュケイオンの跡地。ほとんど跡形もないが、逍遥にはピッタリかもしれない。ただ、ちょっと暑かったので一周しかできなかった。アクロポリスといい、リュケイオンも夏とかに訪れると暑くて大変そう。まだよい時期に来た気がする。リュケイオンはアクロポリスなどと共通のチケットで入場可。隣にはビザンツ時代のキリスト教関連のものがいくつか置いてある公園もあり、ちょっと覗いて昼飯を食べに行く。シンタグマ広場まで戻り、アテネ通りに出てそのまま北上する。
中央市場の付近をウロウロしていたら、手軽な店を見つけたのでそこにする。Theikonという店。ギリシアのB級グルメ代表選手のスヴラキをいただく。ポテト、野菜、ピタパンのセット。やはり量が多い。しかし完食してしまった。ビールと合わせて10ユーロほど。安い。
ここらへんはホテルの近くでもあり、落書きの感じなどが割とガラ悪いエリアなのだが、治安の悪さは特に感じなかった。もちろん油断は禁物。
こんな名前のホテルも。
午後はオモニア広場でバスガイドの人と待ち合わせの上、スニオン岬に向かう。英語のガイドで、二十人弱いたかな。岬までは1時間半くらいかかるのだが、合間にアテネなどに関する小ネタなどを話してくれてなかなか面白かった。ギリシアでもカーニバルや復活祭(ギリシア正教だとパスハ)があるが、カーニバル明けには凧揚げをする習慣があるらしく、海沿いのエリアでも凧揚げをしている人たちがいた。あとはやたら立派な建物があるかと思ったら、ギリシアの有名な実業家アリストテレス・オナシスによるもので、この実業家はかなりの権力者でもあり浮き名も流していたという。かのJ.F.ケネディの元夫人と再婚したりもしている。
そんなこんなでスニオン岬に到着。地中海を堪能する。
ここには立派なポセイドン神殿もある。アンゲロプロスの映画『アレクサンドロス大王』では中に人が入っていたが、ここもやはり立ち入りは禁止。ちなみにアテネだと、越えてはいけない領域を越えようとするとよく笛を鳴らされるようだ。それを監視する人たちがところどころ常駐している。
ポセイドン神殿がある所も実はアクロポリスだったところなので、神殿があるのは丘の上で、周りには住居の跡などが残っている。
この岬から海上を見張る人たちなどが住んでいたみたいだ。ツアーなので現地滞在時間は1時間くらいで、アテネ市内中心地に戻る。シンタグマ広場に18時台くらいだったかな。例によって主要観光スポットはもう閉まっているのだが、何と今日は24時までやっている博物館があるらしいので行くことにする。空港行きのバスも通るソフィア王女通りを少し歩いて目的地へ。ベナキ博物館という所。古代に始まり近代までのギリシア史に関わるものをバランスよく置いてあり、私のような初心者にはありがたい博物館。特にキリスト教関係をまとめて見るいい機会になった。入場料は6ユーロだったかな。中には料理も出すカフェがあり、小ぶりだがちょっとぜいたくな感じの博物館。2時間ほど滞在。
今日の夕飯はネットで見かけた所に行ってみる。
例によってガラが悪い道を進んでいくと、目的のクレタ料理が売りのお店が。21時くらいだったが土曜日ということもあり大賑わい。観光客もちらほらいつつ、地元の人も結構来る感じの店だった。
まずは食前酒のツィクディアをいただく。グラッパみたいなやつ。いい感じ。隣のテーブルで人を待っていたキリアも飲んでいた。キリアはフランス語で言うところのマダム。男はキリオス。
クレタ風のサラダは、焼いたバゲットの上にすり潰したトマトやチーズなどがのったもの。左はギリシア料理の定番カラマリ。万事よし。デザートがサーヴィスで、合わせて25ユーロいかないくらい。この店はかなり実力店な気がする。別れ際にスタッフのお兄さんにカタコトのギリシア語を放つ。ちょっと喜んでくれた。それに関わらず、アテネでは結構スマイルをくれることが多い。日が変わる前にはホテルに戻り就寝。
アテネ初日
午前8時台にフリブールのアパートを出発し、10時台にはジュネーヴ空港に到着。12時過ぎの飛行機でアテネに。現地時間で17時前には無事に到着。スイスとギリシアは時差が一時間だけある。空港から市内までは便利なバスがあって、チケットも自動券売機があるので簡単。片道90分以内で6ユーロ。同じ機械で市内の交通機関で使える切符も買えるので買っておく。5日間乗り放題で9ユーロ。安い気がする。
ただ、バスは遅れ気味でかつかなり混んでいた。1時間弱でシンタグマ広場に着く。
18時くらいだったが、この時間帯だと主要な観光スポットは閉まっている。ハイシーズンだと営業時間延長などがあるみたいだが。
しばらく適当に散歩していたら、ハドリアヌスの時代に造られた門のあとがあった。真ん中からはアクロポリスもその姿を見せている。ゼウス神殿の横にある遺跡だが、ここらへんは自然が豊かな分、野良猫や野良犬がいて後者にはちょっとびっくりする。サイズが大きいのが多い。
ゼウス神殿は閉まっていたが外からがっつり見えている。
いくつかの博物館は遅くまでやっているようなので、アクロポリス博物館に向かう。
建物が素敵なところ。展示品も充実。たくさんあってありがたみが薄れるが、紀元前のものがこんなにゴロゴロしているのは流石というべきか。
金曜日は22時までやっていてありがたい。入場料は6ユーロだったかな。荷物預け場所もあるので大荷物でも安心。入場した直後に、ジュネーヴからアテネの飛行機まで一緒だったどこかの学校の生徒に英語で話しかけられる。出身と滞在日数を聞かれて、楽しんでくださいみたいなことを言われる。修学旅行的なノリだ。
お土産コーナーでは幼児用のTシャツも売っていて、帰るまでに買いに行こうか検討中。私は自分用にTシャツを購入。
博物館を出るとライトアップされたアクロポリス! 明日行く予定なので楽しみだ。
博物館を出たのは20時台だったのでお腹がすいていた。アクロポリス博物館の周りには飲食店が集まっていて、ある店の前を歩いていたら、呼び込みの人に日本語でいきなり話しかけられた。本人は日本語かどうかわかっていたかあやしいが、食べたいと思っていたムサカがあるようなのでそこにしてしまう。Yardという店。
まずはムサカ。ハーフサイズにしてもらう。実は私の実家ではムサカは特別なごちそうで、割と食べたことがある。両親がかつてギリシア旅行をしたことがきっかけ。ここのお店のはそこまでチーズやヨーグルト要素がない分、気軽に食べられる感じ。美味。
メインはギロス。ケバブに近いが、これは豚肉。トマト、フライドポテト、薄いパンのセット。完食。ギリシアが一気に好きになっていく。
この店はいい感じだと判断して、デザートとカプチーノもいただく。デザートは、名前を忘れてしまったが、細いパスタみたいなものを揚げたやつの上に甘々なクリー厶がのっかっていた。グラスワイン2杯と合わせて35ユーロくらいだった気がする。ギリシア的には割高かもしれないが、スイスから来た身としては安さに感動。
トイレもキレイで、おむつ交換台なんかもあった。観光に最適化されている。コミュニケーションは英語でだいたい何とかなるので安心。ちなみにわざわざ写真を取ったのは、こちらではお尻を拭いた紙を流さないらしく、ゴミ箱に捨てる方式。台湾とかもそんな感じだった気がする。
食べ終わったあとは、レストランやらお土産屋があるあたりをウロウロ。22時台だったが、まだ結構明るい。ある店の店頭ではなぜかしまじろうが売られていた。お勤めご苦労さまです。
23時台にはホテルに到着。ダブルベッドの部屋しかなかったが、これはこれで快適。ホテルは3泊で2万円しなかった。朝食つき。やはりリーズナブル。すぐに寝て明日に備える。
やはり雨模様
少し早めに起床。今日は論文を仕上げたいところだが、朝は某書類の作成に追われる。数時間で終わらせて朝食など。
昼の学食は、少しアジアンなメニューだった気がする。
ただし肉はポークソテー。おいしくいただく。ソースがうまい。
今日も研究室一番乗りだったが、しばらくして常駐メンバーは全員集合。Tさんも今日は元気そうで、むしろ私の方がちょっと疲れているんじゃない? と言われてしまった。Tさんからは最近出た論文のコピーをもらう。先週も別のをもらったところだった。彼女は研究室によくいるメンバーにはこうして自分の論文を手渡ししてくれるのでありがたい。今日もらったのはデカルトに関する論集に収録されているものだった。
今日もずっと粘っていたいところだが、アパート下見があるので、18時くらいに夕飯も学食で済ませ、19時前にはバスを使って一度アパートに戻る。下見希望の人を迎えた後、再び大学にバスで戻る。だいたい一時間くらいで戻ってくることができた。
しかし今日の研究室での進捗は、明日からのアテネ観光についての下調べをしてしまった関係で、まだまだ。帰宅してからも続けることにする。だいぶ深夜になって一応目処がついたから寝ることにする。そろそろ他の人に見せてブラッシュアップしたいところ。荷造りも簡単に済ませておく。
晴れと雨
通常の起床で、シャワー、朝食、洗濯。アパート下見希望の件で電話がかかってきたが珍しく最初から英語だったので(相手は気を使って英語だった模様)英語で話しかけてみるものの、私の方が時々フランス語が混じってしまう始末。フランス語を話していて複雑な事柄の時は英語に切り替えることがあるし、かといえば英語の場面でも簡単な言葉はフランス語が先に出てしまう。ある種の過渡期なんだと思われる。この時期を乗り越えるとより上のステップに行ける気もするが、帰国まであと2週間強だ。
昼は学食。レシュティはスイスでないとなかなか食べられない気がするのでありがたい。
研究室で少し粘った後、Tさんの授業へ。今回もアヴェロエスで、哲学と宗教の関係というテーマ。ラテン中世には伝わらなかったあたりの話なので、私にとっては新鮮味もある。次回はまたトマスを少し参照してアヴェロエスについてのまとめに入るのだと思われる。楽しみだ。
授業後はFに図書館の案内を軽くする。彼はヴェネツィアのカ・フォスカリから来ているのだが、中世哲学関係は図書館がいまいちで、パドヴァ大まで借りに行ったりしているらしい。パドヴァ大は充実しているようだ。
今日は夕飯を学食でFと一緒に。牛肉をいただく。今週はVとあまり話せておらず、研究室でちょっとだけ会話した。Tさんも含めて学期中はやはり忙しそう。
雨が降っていたので帰りはバスを使う。大学から今のアパートまでは一回乗り換えないといけないのがちょっとだけ面倒。帰宅してからはアンゲロプロスの映画を見たりしてギリシアに行く気持ちを整える。
晴れ間
8時くらいの起床で、シャワー、朝食をこなし、9時台に洗濯しに行こうと思ったら何といっぱいだった。珍しい。1台は業者の人が点検していたので仕方ない。あきらめてタンデムに向かうことにする。ちなみにタンデムに行くためアパートを出る時にもう一回業者の人とすれ違い、おそらく単なる一住民に対する感じで(なので嫌な感じは全くなかった)、洗濯機の使用ルールを守ってほしいぜみたいなことを言われたので、俺はわかっているが住民全員がわかっているわけではないだろうねと即座に返すことができた。今日最初の会話だったので、反応速度に自分でもびっくりした。
ということで勢いでタンデムも乗り切りたいところ。バーゼルのお菓子であるレッカリについて話すところから始まり、スイスではアイスコーヒーはいまいち人気ないけど(スタバは例外)甘い味つきのアイスティーはわりとメジャーだという話や、ヴィザの話などをした。しかし残念ながら英語を使ってしまう場面もあったが、こういう時はどうやら言語の問題というよりも内容に関してピンと来ていないこともしばしばあるのであまり気にしないようにしよう。次回は一週間後。
帰宅してから洗濯開始。それもあって、今日はちょっと遅めに出ることにする。昼飯はパスタ。15時台に外出。マノールでいくつかおやつを買う。
これはイチゴタルト。こういうのが気軽に買える環境は素晴らしい。今日も研究室で進捗をひねり出す。悪くないがこれをもう一週間早くやるべきだった。途中で研究室に立ち寄ったFとちょっとだけ会話。元気そうでよかった。
17時15分からはK教授の講義。今日からアリストテレス。『命題論』、『ソフィスト的論駁』、『カテゴリー論』の順番でオノマとかレーマとか基本的な事項が確認されていく。質問も多く出ていた。『命題論』の最初で、アリストテレスは言語が規約的であることを言っているわけだが、そこでセーメイオンでなくシュンボラという語が使われているのは、後者の方がより規約的であることが明らかだからだ、という話は勉強になった。
授業後も22時まで研究室で粘る。スキャンは控え目に。帰り際、自宅と研究室の往復という幸せな生活の終焉に思いをはせる。これを日本でできる日は来るのだろうか。色んな意味で、来ないのかもしれない。
夕飯は出来合いのサラダとピザで済ませる。日曜からノンアルコールは継続中。冷蔵庫にはおいしそうなビールが冷えているのだが、もう少し暖かくなるか進捗に目処がつかないかしない限りは遠慮している。最近また寒いのです。風も少し強い。三月はこんなものみたいだ。
悪天候
7時前には起床し、朝のことを色々済ませて9時よりタンデム開始。バーゼル観光の話から、スイスの地域に関する話をしつつ、最後は政治制度の話に。スイスの大統領職は7人いる大臣たちによる持ち回りなので、誰が大統領かは正直どうでもいい仕組みになっている。Vも誰が大統領かはスイス人も知らない人が多いと言っていた。毎回のレフェランダムの議題をしっかり理解する方が優先度が高そう。
タンデムの最中に突然激しい降雪となり、一気に白くなる。
これはしばらく自宅警備かと思いきや、急に晴れてきたので大学に行くことにする。途中のコープで食料品を買い足して研究室。天気のせいか、13時過ぎに着いたが一番乗りだった。学食では牛肉メニューを堪能し、食後は論文。珍しく進捗が。今週中には最後まで書きたい。
研究室にいる時もまた吹雪かと思いきややはり晴れて、最終的には寒いが収まった。何とも激しい一日だったが、日が長くなった。上は18時半頃の様子。私はここからさらに22時まで粘り、帰宅して夕飯。アンゲロプロスの映画を見る。実は週末にアテネに行くことにして、やっと今日飛行機やホテルを手配した。ホテルは安かったが飛行機が高い。プリペイド式のクレカがスッカラカンに。あとは、キャッシュとメインのクレカで何とかなるだろう。私のスイス銀行(笑)の口座にもいくらか残っているが、こちらはそろそろ閉鎖の手続きをしなければならない。来週になりそうだ。