パリ最終日
とうとうスイスに帰らなければならない日。リヨン駅16時前発の電車に乗るまでパリを堪能したいところ。
朝食を済ませ、チェックアウトし、荷物を預かってもらって出撃。まずはオランジュリー美術館に向かう。
途中、シテ島を通っていく。上はシャルルマーニュ像。スコラ学発祥の地の一つと言っても過言ではないだろう。ポン・ヌフ(つまり新橋)を渡りチュイルリー公園の方へ。ポン・デザールのあたりには謎の署名少女軍団が結構いるので注意が必要。コンコルド広場の手前に目的地の美術館がある。
ここにはモネの有名な大作がある。この空間はずっと座って見ていたくなるような場所で、最初に入り、最後にもう一回来て短い時を過ごした。今日も子どもたちが連れられてレクチャーを受けている場面に遭遇した。
ちなみにモネに関しては、このようにフランス語、英語、日本語のパネルが珍しくあった。来ていた東アジア系はだいたいチャイニーズのようで日本語の需要があるかはわからないが、こういうのはちょっと嬉しい。
下の階では、ルノワール、セザンヌ、ピカソ、モヂ、マチスらがお出迎え。どれも堪能する。
アンリ・ルソーの「人形を持つ子ども」にも惹かれた。お土産ショップで細かい物を購入。これでだいたい午前中が終わる。
美術館を出てすぐの所でスマホを取り出して立ち止まっていたらまた謎の署名軍団に囲まれそうになって辟易したが、サラッとかわしてコンコルド橋を渡り、左岸地区に戻る。サン・ジェルマン大通りをしばらくまっすぐ行き、ラスパイユ大通りと交わるあたりでちょっと小道に入る。
するとそこに聖トマス・アクィナス広場があり、同じく聖トマス・アクィナス教会がある。
特別な由来があるわけではなさそうだが、都会の喧騒をしばし忘れることができる。ポツポツと人がミサのために来ていた。
引き続き教会めぐりで、こちらは観光でも有名なサン・ジェルマン・デ・プレ教会へ。
二枚目にあるように、ここにはデカルトが眠っている。哲学徒のパリ巡りには欠かせないスポットの一つかもしれない。
ソルボンヌの方に戻ってきたので、まだ行けていなかったVrinに立ち寄る。
入って左の方に行き、一番奥が西洋の古代・中世哲学コーナーだった。置いてあるほとんどの本が哲学関係なのは素晴らしい。中古コーナーもあり。見るだけにしておいた。当然ながらVrin以外の本も置いてあって、図書館にしかないような本が普通に売っているのはやはり圧巻。
昼飯時ではあるが、グルメは断念して観光を続ける。
まだ入っていなかったノートルダム大聖堂に。ここはやはり観光客も多い。中世学徒としての「巡礼」の一環。
そしてもう一箇所だけ。
フランスの偉人たちが祀られているパンテオンに。
三枚目はルソーの墓側面(「自然と真理の人、ここに眠る」とある)で、四枚目はヴォルテール。スイスにいると、ジュネーヴではルソーの像を見ることができたり、本屋ではスイス文学のコーナーにルソーの本が置いてあったりして、ルソーの受け取り方に多様性があることを改めて実感できた。
ここらで時間オーヴァーになってしまったので、急いでホテルに戻りリヨン駅へ。今度は電車にはちゃんと間に合う。駅の売店でパパっとサンドウィッチを買って電車に乗り込む。終点のローザンヌまで3時間半くらい。スイスに近づくにつれ雪が増えていく。ほぼ定刻通りにローザンヌに着き、すぐに乗換でフリブールへ。20時半くらいにフリブール駅に着いていたかな。帰りにスイスビールを買い、余ったサンドウィッチで夕飯とする。