春の装い

少し早めに起きてしまったので二度寝を経て10時くらいから活動開始。外出まで、ハイヂの原作のフランス語訳(19世紀のもので、作者自身が認めたもの)を眺めたりする。オリジナルはドイツ語。英訳も借りる予定。日本版アニメも割と有名なようだが、評価に関しては意見が分かれるようだ。私はそもそもアニメの方もそんなに知らないので原作の方からきちんとおさえていきたいが読み終わるか否か。

 

外出してアパートから大学まで20分もかからず到着。人々の肌の露出度が上昇している。半袖マンも出没していたかな。道すがらもだいたい考えごとをしながら歩くようになってしまい、すっかり日常になってしまった。横断歩道はだいたい信号がないのだが、車はほとんどの場合ちゃんと止まってくれるので問題なし。ちゃんと意思表示する場合は運転手に向かって手を挙げる。運転手はもちろん左側。この日常ももう少しで終わりだ。また戻ってきたいと思いつつ、帰ったら家族と一緒に過ごすことができるのでそれも楽しみだ。しかし長時間の飛行は少し気が重い。帰りはジュネーヴ発ロンドン経由、成田着。ロンドン観光は今回の滞在ではできなそうで大変残念。イギリス英語を予習していつか。

 

昼飯は久々に米を食べた。サラダ付きの9フランメニュー。いつも営業終わりギリギリの時間に行くので人がまばら。前学期はそれでもだいぶ賑わっていた気がするが、まだ始まったばかりで安定しないのだろう。ここはヴィーガンメニューもあればビールやワインもあるので色んな人にとって使い勝手がよいのではないか。これは日本でもだいたいそうだが、一般の人も利用可。

 

さて今日も自分の仕事。quantitasに関するオリヴィの考えについてBurrの論文などを眺めたりする。やはり聖体変化が重要なようだ。個体化から出発して、私は今は天使論の一部に従事しているが、いずれは聖体変化についても本格的にやる必要があるだろう。スコラの場合、テーマを決めるとさしあたりの計画は立てやすいのでそれは助かる。英訳の作業もしつつ、翻訳原稿にも取りかかる。Oz氏のコメントを読んでいて有益な指摘が多くて感謝しきり。

 

小腹がすいた時のために買ったパンをすべて消費しつつ、22時くらいまで粘り帰宅。夕飯はシチュー残り。やっと食べ終わる。ものぐさなので料理のレパートリーはあまり増えなかったですね。日本だとカレーライスを作る代わりに、シチューを作るという感じ。

 

食後はプラトン『国家』の藤沢訳を読む。ちょうど第3巻が終わったところ。すぐれた人間を育成するのに音楽と体育が適切な仕方で教育されるべきだと述べられているところだが、Vが日中にテニスについて言っていたことを思い出した。今の文脈に即して言うなら、プラトン的な気概に相当するものも大事だが、頭で考える冷静さ(つまりは知恵?)も必要だと。前者に体育が、そして後者に音楽が対応すると考えられるが、よく考えたらVは音楽もやっているではないか。どちらもやっていない私とは異なり、プラトン的に理想の自己涵養を体現していたのか。哲学科の鑑だ。